成年被後見人の確定申告(特別障害者控除)
確定申告の時期ですね。
私たち士業、いわゆる個人事業主は、確定申告をしなければいけません。
よってこの時期、あわただしく領収書の整理や、保険料控除書類などの書類の整理に追われます。
それに加えて、後見人等として担当している被後見人さんにも確定申告する必要がある人(必要はないが、すれば還付金がある人)がいますので、そちらの書類の整備も必要となってきます。
ほとんどの方が、収入は年金だけでそんなに多くはないという方が多いので、確定申告する必要はないのですが、ある程度の年金額で源泉徴収がされている場合は、還付金が戻ってくるケースがありますので、もれなく申告するようにしています。
税に関しては、さすがに専門家ではないのでそんなに詳しくはないのですが、国税庁の確定申告書作成コーナーから申告書を作成すると、わりと簡単に申告書が作成できます。
で、つい最近知ったのですが、成年被後見人の方は、障害者控除の対象になるということです。それも特別障害者控除(40万円)の対象です。
(成年被後見人のみが対象です。被保佐人・被補助人は対象外ということに気を付けましょう。)
国税庁のHPには、以下の記載があります。
障害者控除の対象となるのは、次のいずれかに当てはまる人です。
(1) 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある人
この人は、特別障害者になります。
(2) 児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障害者と判定された人
このうち重度の知的障害者と判定された人は、特別障害者になります。
(3) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の規定により精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人
このうち障害等級が1級と記載されている人は、特別障害者になります。
(4) 身体障害者福祉法の規定により交付を受けた身体障害者手帳に、身体上の障害がある人として記載されている人
このうち障害の程度が1級又は2級と記載されている人は、特別障害者になります。
(5) 精神又は身体に障害のある年齢が満65歳以上の人で、その障害の程度が(1)、(2)又は(4)に掲げる人に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人
このうち特別障害者に準ずるものとして市町村長等や福祉事務所長の認定を受けている人は特別障害者になります。
(6) 戦傷病者特別援護法の規定により戦傷病者手帳の交付を受けている人
このうち障害の程度が恩給法に定める特別項症から第3項症までの人は、特別障害者となります。
(7) 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律の規定により厚生労働大臣の認定を受けている人
この人は、特別障害者となります。
(8) その年の12月31日の現況で引き続き6ヶ月以上にわたって身体の障害により寝たきりの状態で、複雑な介護を必要とする(介護を受けなければ自ら排便等をすることができない程度の状態にあると認められる)人
この人は、特別障害者となります。
つまり、成年被後見人は上記の(1)に当てはまるということです。
国税庁のHPの別のページにも、「成年被後見人の特別障害者控除の適用について」として、下記の見解を示しています。
「所得税法上、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」は特別障害者とされ、居住者又は控除対象配偶者若しくは扶養親族が特別障害者である場合には、40万円の障害者控除が認められています(所法79)。
この「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」について、所得税法に特段の定義はなく、民法第7条に定める「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」と同一の用語を用いていることから、家庭裁判所が、鑑定人による医学上の専門的知識を用いた鑑定結果に基づき、「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」として後見開始の審判をした場合には、所得税法上も、成年被後見人は「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に該当し、障害者控除の対象となる特別障害者に該当すると考えられます。
この点、現行の所得税法の規定が、「民法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成11年12月8日法律第151号)」により、「民法の一部を改正する法律(平成11年12月8日法律第149号)」による民法の改正に併せて改正されていることからも、民法に定める「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」は、所得税法に定める「精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者」に該当すると考えられます。
なお、後見開始の審判の事実は、登記事項証明書により確認することができます。」
説明が長くなりましたが、それを知った私は、昨年確定申告した方について特別障害者控除を入れていなかったことに気づき、修正申告をしました。これをすることにより、還付金がさらに増えました。
こちらも国税庁のHPから作成できますので便利ですね。
でもやはり税については専門家にお願いするのが一番かもしれません。財産の多い被後見人等の場合は、確定申告も税理士さんにお願いするのがベストですね。
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